リオンの日記


○月×日(晴れ)

今日も王子は朝から凛々しくていらっしゃいました。
特にお昼過ぎからの笑顔は本当に輝かしくて、太陽の紋章にも負けないくらいでした。
なぜそんなにご機嫌でいらっしゃったのかというと、半月ぶりにゲオルグ様が帰ってこられたからです。
王子は本当にゲオルグ様を尊敬しておられます。王子が尊敬される方というのは私にとっても尊敬すべき方ですから、私もゲオルグ様を尊敬しています。
それに、お二人は本当に仲がよろしくていらっしゃいます。今日もゲオルグ様が帰ってこられてからというもの、王子は片時もゲオルグ様から離れませんでした。お風呂もご一緒だったとのことです。
王子は何も仰いませんが、お風呂では最近、王子の身体にやたらと触れようとする輩が多いという噂です。今日はゲオルグ様がご一緒でしたので、王子も安心して入浴できたのではないでしょうか。
ゲオルグ様は数日お城に滞在なさるそうです。それを知ったときの王子の笑顔といったら。何にも例えることの出来ない美しさでした。私は、この笑顔をお守りする為、日々全力で努めようと決意を新たにしました。






○月△日(晴れ)

今日も王子は朝から凛々しくていらっしゃいました。
ですが、昨日に比べますとだいぶ気だるげでした。昨日はしゃぎすぎたのでしょうか。そういえば王子は昨日、ゲオルグ様に「今夜は寝かせないからね」などとおっしゃっておいででした。なにせ半月ぶりですから、積もる話もございましたでしょう。夜中までお話になっていたのかもしれません。ゲオルグ様は随分王子を気遣っておいでで、王子はそのたびにとても嬉しそうになさっていました。
今日も王子は常にゲオルグ様とご一緒でした。おやつの時間には、王子がゲオルグ様にケーキを食べさせてあげていて、王子がどんなにゲオルグ様を大切にしていらっしゃるかが伺えました。通りかかったカイル様が「王子、俺にも食べさせてくださいよー」などと図々しいことを仰っていました。その後、後ろにいたロイ君に殴られていました。王子に図々しい発言をしたことが許せなかったのでしょう。ロイ君はいつもは憎まれ口を叩いていますが、本当は王子を大切に思っているのです。
もちろん私も王子を大切に思っています。王子より大切なものなどこの世にありません。





○月□日(曇り)

今日も王子は朝から凛々しくていらっしゃいました。
ゲオルグ様は今朝お城を発たれるということでした。王子は随分と名残惜しそうにしていらっしゃいまして、ゲオルグ様に何度も何度も「気をつけてね」とおっしゃっておられました。なんとお優しいのでしょう。ゲオルグ様は王子を安心させようとそう言われるたびに丁寧に頷いていらっしゃいました。
王子は小さくなっていくゲオルグ様の背中が見えなくなるまでお見送りなさり、見えなくなってからもずっとその方向をご覧になっていらっしゃいました。どれくらいそうしていたのかわかりませんが、かなり長い時間だったと思います。
それから王子は私に「ゲオルグが行ってしまって寂しいと感じてしまう僕は情けないと思う?」とお尋ねになられました。私は「そんなことありません!寂しいと思うことはちっとも悪いことではないと思います!情けないだなんてそんなことは決してありません!」と力いっぱい申し上げました。すると王子はにっこりと微笑まれて「そうだよね」と頷かれました。そして「今度ゲオルグが帰ってくるまでにもっともっと強くなって…、惚れ直してもらわなきゃ」とおっしゃいました。なんてご立派なのでしょう!
常に向上心を忘れない王子を見習って、私も少しでも王子のお役に立てるよう、精進していかねばなりません。




リオンちゃん可愛いなぁ…。もう徹頭徹尾王子至上主義。
大変楽しく書きましたー。これでおしまいのつもりなんですがもしかしたら続きを書くかもしれません;
ご拝読ありがとうございました。
華夜(06.08)



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