Thank you


目覚めると、美しい朝の光が宝石のような粒となって窓から差し込んでいた。
自分のかたわらに、愛しいもののあたたかな体を認め、カリムはふっと顔をほころばせた。
むき出しの肩にそっと手を置く。
「ん・・・・」
「ああ・・・・おはようルック」
小さく呻き、目を覚ましたルックを、優しく抱き寄せる。
まだ頭は起きていないのだろう。
再びうん、と呻いて体を寄せてくる。
それをわかった上で、カリムは静かに話し出す。
かすかなかすかな、聞き取るのも危ういほどかすかな声で。
「ねぇ、ルック・・・・。幸せだね・・・・。こうして二人でいられること。こうして二人で同じ時を過ごせること・・・・。何よりもうれしく思うよ。
きっと・・・・何年経っても忘れずにいるんだろうね。この幸せで美しい時間を共有したことを・・・・気味と一緒にいること以上の幸せを知らないままでいるんだろうね。
それはとても幸せなことだと思う・・・・。ありがとう、ルック。僕に最上の幸せを与えてくれて。僕の傍にいてくれて。ありがとう・・・・。とてもうれしくて、とても幸せでよ・・・・。ありがとう・・・・」
かすかな、本当にかすかな声。
聞かせるために口に出したのではない。
ただ、自分がかみしめたかっただけ。
喜びと、幸せと・・・・感謝を。
不意に、ルックがすがるように身体を寄せてきた。
体を抱く腕に少し力を入れ、安心させるようにその背を愛撫する。
「何を馬鹿なこと、言ってるのさ」
顔を胸にうずめたまま、ルックが声を出す。
どうやらあのかすかなつぶやきを、ルックは聞いていたようだ。
カリムは苦笑した。
「馬鹿なことかな・・・・」
「        」
ルックが小さく言う。
その声がわずかに振るえを帯びていることがわかり、カリムは強く、ルックの体を抱きしめた。


  


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