光の方へ



行くな、と言いたい。
行くな、と言えない。

光の方へ、光の方へ。

そこから呼ぶ声がするのは、ハレルヤにも聞こえていた。
アレルヤを、呼ぶ声。
幸福な世界へと、呼ぶ声。
幸福な世界へと、連れてゆこうとする声。それは光の方から優しげに、しきりに、届いた。

待っていた、とばかりに顔を上げ、光を笑みで受け取るアレルヤは、美しかったけれどなぜだか痛ましかった。
なぜ。
なぜそんなにも欲しがるのか。行きたがるのか。
なぜそんなにも嬉しそうに笑うのか。

行くな、と言いたい。
行くな、と言えない。

光の方へ、光の方へ。

そこに本当のお前はいて、そこで本物になれるのか。
……そこに、俺はいるのか。

アレルヤ、
ハレルヤ、
神を讃える言葉を身に擁いて。



光の祝福は、何を与えてくれるのか。






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送